サン・テグジュペリの言葉

「完璧がついに達成されるのは、何も加えるものがなくなった時ではなく、何も削るものがなくなった時である。」というのはサン・テグジュペリの言葉ということだが、自分はこの言葉が感覚的に好きである。

「削る」という行為においては、それが「ない」状態のイメージを持つ必要が先にある。
一方人は、あるものを見るのは得意とするが、ないものを見るのは不得意ではないかというのが自分の仮説なので、上記の言葉はなかなかに難しいことを言っているような気がするのである。

例えば、白い紙の上に黒い丸が描いてあったらそれは黒い丸にしか見えず、白い地の方を等価に見れる人は稀だ。
「ある」と「ない」もそんな風な関係にあって、金銭などに対し欲望が無限化しやすいのは、どうもこの「ある」ものだけを見るという、人間のありがちな気質に関連しているように思える。

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